漢方診療ブログ
冷えに伴う足の痛みに絶対やってはいけない治療
今年は暖冬とはいえ、段々と寒さが厳しくなってきました。
気温が下がってくると、逆に増えてくるのが痛みを訴える患者です。
特に冷えやすい下肢の痛みの訴えが多いようです。
痛みの特徴としては、じっとしている時は特に痛みを感じることはなく、
立ち上がりや歩き出しに痛みを感じることが多いようです。
実際に足を触ってみますと、痛みを訴える部位は関節よりも筋肉であることがほとんどです。
腫れや熱感などはありません。
つまり炎症が起こっているような状態ではなさそうということです。
炎症は風邪の状態を思い出してください。
のどが痛かったり、赤く腫れていたり、熱っぽかったりする、あの状態のことは炎症と言っています。
多くの場合、筋緊張が亢進している患者がほとんどです。
筋緊張が亢進しているとは、例えが難しいですが、簡単に言えば「凝っているような状態」だと思って下さい。
痛みを感じる筋肉は「コリッ」としています(←洒落ではありません・・)。
さて、そんな痛みに皆さんは「湿布」という外用薬を選択するかもしれません。
が、それは私から診たら
「最悪」
な治療選択と言わざるを得ません。
湿布には非ステロイド性抗炎症薬と言われる、炎症を抑える成分が含まれています。
特徴は名前の通り炎症を抑えるわけですが、抗炎症作用の一貫として血管が収縮します。
つまり、非ステロイド性抗炎症薬は、炎症を抑え、血管を収縮させることで
腫れをひかせ、熱感を抑えていくわけです。
私は患者さんに分かりやすいように「湿布は冷やして治す薬」というような説明をしています。
これで私が「最悪」と言った意味がだんだんわかってきたと思います。
あなたのその痛みは冷えて悪くなったのに、さらに冷やす治療を選択するのですか?
それでも症状が良くなると考えますか?
それとも他の治療法を試してみますか?
痛みの治療はなかなか難しいので効果の保証はできませんが、
上記のような痛みには湿布以外の治療法を提案することができますよ。
治療のご相談があれば受診下さいませ。
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