一般内科・ かぜ漢方診療ブログ
生理前の頭痛やむくみ、きつさやだるさ、イライラ・・・あなたにお勧めする治療の進め方
らそうむ内科・リハビリテーションクリニック院長の谷口です。
このページをご訪問頂き、誠に有り難うございます。
私達クリニックスタッフ一同は、皆さんが「笑顔で百歳」を迎えられるよう、日々の診療に取り組んでおります。
みんな一緒に「笑顔で百歳」を目指しましょう!
生理前になると・・・
突然ですが、先日、ある女性と話をしていた時のことです。
「生理前が何とも言えないぐらいきついんですよ。生理が来るとホッとします。」
そのようなことを言っていました。
そうすると、周りにいた女性もそれに同調し、
「私は手足がむくむんですよ。」
「私は頭が痛くなります。」
「何か精神的におかしくなります。」
などなど、まあいろんな訴えが出るわ出るわ・・・
月経中にお腹が痛いとか頭痛がひどいとかはよく聞きますが、月経前はさらにいろんな症状が出るのですね。
そのような病態(月経前症候群といいます)があることは知っていますが、どんな症状が出現するのか、生の声を聞いたことはありません。
さらにその女性達に尋ねてみると、同世代の友人や職場の仲間にも同じような症状を訴える人が多いと言います。
では、どんな治療を受けていのるかと尋ねてみれば・・・
・・・誰も積極的な治療は受けていませんでした。
いろんな症状で困っているはずなのに、なぜ治療を受けてないのでしょう???
理解に苦しむので、まずは月経前症候群がどんなものか勉強から始めてみました。
月経前症候群とは?
月経前症候群について調べてみました。
日本産科婦人科学会のサイト
http://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=13
を見ると、月経前症候群とは
月経前3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経開始とともに軽快ないし消失するもの
と書かれてあります。さらに、
原因ははっきりとはわかっていませんが、女性ホルモンの変動が関わっていると考えられています。
とのこと。
月経周期に関係するのなら、女性ホルモンの変動が関わっているのは想像できますね。
症状も多彩ですね。
カラダの不調とココロの不調に分けて考えましょう。
カラダの不調(身体的症状)
- 乳房の張り、痛み
- 肌荒れ、にきび
- 体重増加
- 下腹部の張り
- 眠気または不眠
- 疲れ、だるさ
- 頭痛、頭重感
- 腰痛
- むくみ
- のぼせ など
ココロの不調(精神的症状)
- イライラする
- 泣きたくなる
- ぼーっとする
- 怒りっぽい
- 情緒不安定になる
- ゆううつな気分になる
- 落ち着かない
- いつも張り詰めた気分になる
- 家族や身近な人に八つ当たりしてしまう
- 集中できない など
治療法についてですが、1. 薬によらない治療、2. 薬による治療に分類されています。
- 薬によらない治療はウェブサイトを見てもらうとして、2. 薬による治療を見ると、
- 排卵抑制療法(排卵を抑える治療法)
排卵が起こり女性ホルモンの大きな変動があることがそもそもの原因なので、排卵を止め女性ホルモンの変動をなくすことで症状が軽快します。低用量経口避妊薬(OC、低用量ピル)や低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)は少ないホルモン量で排卵を止めます。これらの薬は副作用が少なく、服用している期間だけ一時的に排卵を止めるものなので、服用を止めるとすぐに排卵が回復します。その後の妊娠には影響を与えません。
と書いてあります。
なるほど、だんだん見えてきました。
あくまで私の推測に過ぎませんが、次のような問題点があるように思えます。
- 治療の対象ではないと思っている
- 婦人科受診への抵抗がある
- 排卵を抑える治療に抵抗がある
少しずつ解説していきましょう。
- 治療の対象ではないと思っている
そもそも生理の度に当たり前に起こる症状を病気の症状とは言い難いですし、女性の皆さんもそう感じているのではないかと思います。
病気というよりは、単に女性ホルモンの変動に伴う体調不良という感じですよね。
しかも生理が来れば治まってしまう。
ですので、治療の対象ではないと思っている可能性がありますね。
- 婦人科受診への抵抗がある
これは一部の女性かも知れませんが、婦人科を受診することそのものに抵抗があるという話を聞いたことがあります。
そもそも、病院は行きたい場所ではありませんしね・・・
- 排卵を抑える治療に抵抗がある
女性にとって排卵や生理というのはとてもデリケートなテーマであることは知っています。
ホルモン製剤を使い、排卵や生理を止めることに抵抗があってもおかしくありません。
もし貴方が月経前症候群の諸症状で困っていて、
もっと手軽に月経前症候群の治療が受けられるとしたら、試してみたいですか?
そうだとすれば、それに応える治療法を提供できるかも知れません。
手軽に始める月経前症候群の治療
日本産科婦人科学会のサイト
http://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=13
を再び見てみましょう。
- 薬による治療には続きがあります。
- 症状に対する治療法
痛みに対しては鎮痛剤、むくみなどの水分貯留症状に対しては利尿剤や抗アルドステロン療法(尿量を増やす治療法)、精神神経症状や自律神経症状に対しては精神安定剤や選択的セロトニン再取り込み阻害薬物療法(脳内の活性物質セロトニンを維持する治療法)を使用します。
正直なところ、内科的な知識があれば身体的症状の軽減を図ることはどこでもできます。
精神的症状も内科、症状が重たければ精神科や心療内科などで対処が可能ですね。
- 漢方療法
個人の証(症状や体質)に合わせて、漢方薬を使用します。当帰芍薬散、桂枝茯苓丸、加味逍遥散、桃核承気湯、女神散、抑肝散などがよく選択されています。
残念ながら漢方治療はどこでも受けられるとは言えません。
西洋医学が主たる治療法となっている日本の医療では、漢方治療を習う機会は極々わずかです。
「患者さんのために」と自ら積極的に勉強された先生方の専売特許、とも言えます。
婦人科の先生方で漢方治療を勉強されている先生もいらっしゃいます。
そういう先生が近くにたまたまいらっしゃると一番いいですね。
専門的な排卵を抑える治療法を含め適切な治療法を選択して頂けるかと思います。
もしいらっしゃらないとすると、漢方治療ができる内科の先生に診てもらうのがいいと思います。
とにかく治療を試してみないことには症状が和らぐかどうかわかりません。
症状に対する治療法、漢方療法であれば手軽に開始できますし、
内科であれば多少は受診しやすくありませんか?
内科で治療してみて、それでも症状が軽減しない時に初めて婦人科にかかるのもありと思います。
当クリニックでは内科治療はもちろん、漢方治療も可能です。
「月経前症候群の治療を試してみたい」と思ったら、らそうむ内科・リハビリテーションクリニックを受診下さいませ。
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