コラムメタボ・糖尿病健康づくり肝臓(脂肪肝)
薬を減らしたいなら・・1日7000歩のウォーキングは万能薬
年齢を重ねるごとに増えていく生活習慣病。
高血圧症を始め、脂質異常症、糖尿病、脂肪肝など、いろいろな病気を発症し、それら対して治療薬を処方されている人は少なくないはずです。
しかし、それらの薬は本当に必要ないかもしれません。
食事や運動など日常生活を見直したら、要らなくなる薬や量を減らせる薬があるはずです。
少なくとも薬では健康を作り出すことはできません。
ダメな状況が少しマシになる、そんな感覚です。
あなたの身体はあなたの生活習慣からできていますので、健康づくりを意識していきましょう。
しかし、「何からやればいいのかわからない」というあなた。
まずはウォーキングから始めてはどうでしょう?
誰でも実行できる、お金はほぼ掛からない、健康効果が保証されている、間違いがない自己投資だと思いますよ。
以前にもウォーキングの健康効果に関する研究を紹介しました。
今回はウォーキングの歩数と健康効果の関連について、もう少し深堀りしたシステマティックレビューおよびメタ解析(←信頼度が高い研究だと思って下さい)を実施した研究を紹介します。
原文はこちら。
Daily steps and health outcomes in adults: a systematic review and dose-response meta-analysis
研究結果のまとめ
【背景】
過去10年間で「1日の歩数」と健康効果の関係に関する研究結果が急増しているが、「全死亡率」など限られた健康効果に焦点が当てられていた。
この研究では、日常の歩数と健康効果(全死亡率、心血管疾患、がん、2型糖尿病、認知機能、メンタルヘルス、身体機能、転倒)との前向きな用量反応関係を統合的に解析した。
【方法】
検索期間とデータベース: 2014年1月1日から2025年2月14日までに公開された文献を、PubMedとEBSCO CINAHLで検索(他の検索戦略も併用)。
対象研究: 成人を対象とし、デバイスで測定された1日の歩数と健康効果との関係を調べた前向き研究(言語や出版タイプに制限なし)。
評価: 複数の査読者(BN、KO、ML、TN)が独立して研究の選択、データ抽出、**Newcastle-Ottawa Scale (9点)**を用いたバイアスリスク評価を実施。
データ統合: 可能な限り、個々の研究から得られたハザード比(HR)をランダム効果用量反応メタアナリシスを用いて統合。エビデンスの確実性はGRADEを用いて評価。
→系統的レビューに 57研究(35コホート)、メタ解析に 31研究(24コホート) を含むデータベース
【結果】
全死亡率、心血管疾患発症、認知症、転倒
→ 非線形の逆相関(約5,000〜7,000歩/日で効果の屈曲点)
心血管疾患死亡、がん発症・死亡、2型糖尿病、うつ症状
→ 直線的な逆相関
歩数別のリスク比較(基準2,000歩/日に対する7,000歩/日のリスク軽減効果)
| 健康効果 | 7,000歩/日のリスク比 (HR) | リスク低下率 |
|---|---|---|
| 全死亡率 | 0.53 (95%CI 0.46–0.60) | 約47%減 |
| 心血管疾患発症 | 0.75 (0.67–0.85) | 約25%減 |
| 心血管疾患死亡 | 0.53 (0.37–0.77) | 約47%減 |
| がん発症 | 0.94 (0.87–1.01) | 約6%減(有意差なし) |
| がん死亡 | 0.63 (0.55–0.72) | 約37%減 |
| 2型糖尿病発症 | 0.86 (0.74–0.99) | 約14%減 |
| 認知症 | 0.62 (0.53–0.73) | 約38%減 |
| うつ症状 | 0.78 (0.73–0.83) | 約22%減 |
| 転倒 | 0.72 (0.65–0.81) | 約28%減 |
身体機能: メタアナリシスに基づかない研究でも同様の逆相関。
【考察】
活動的な人にとっては1日10,000歩が目標となる。
1日7,000歩は健康効果において臨床的に意味のある改善と関連しており、現実的で達成しやすい目標になりそう。
私の視点
正直なところ、1日10,000歩のウォーキングを続けることは、大抵の人には達成できない目標だと思います。
しかし、7,000歩なら決して楽ではないけど、少し頑張れば達成できなくはない、そんな感じです。
それでもハードルは低くないので、以前に紹介した1日11分程度のウォーキングから開始して、それを習慣化する、その後に7,000歩を目指すというのが現実的な気がします。
健康効果がある疾患を見てみると、悪化すると介護が必要となるような疾患が並んでいます。
私は絶対介護を受けずに生活したいと思っていますから、やはりウォーキングなど運動をやり続けていく必要がありそうですね。
少し古い情報にはなりますが、健康長寿ネットに健康長寿に効果的なウォーキングということでまとめてありますので、参考までに掲載しておきます。
1日当たりの「歩数」「中強度活動(速歩き)時間」と「予防(改善)できる可能性のある病気・病態」
| 歩数 | 速歩き時間 | 予防(改善)できる可能性のある病気・病態 |
|---|---|---|
| 2,000歩 | 0分 | ねたきり |
| 4,000歩 | 5分 | うつ病 |
| 5,000歩 | 7.5分 | 要支援・要介護 認知症(血管性認知症、アルツハイマー病) 心疾患(狭心症、心筋梗塞) 脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血) |
| 7,000歩 | 15分 | がん(結腸がん、直腸がん、肺がん、乳がん、子宮内膜がん) 動脈硬化 骨粗鬆症 骨折 |
| 7,500歩 | 17.5分 | サルコペニア(筋減少症) 体力の低下(特に75歳以上の下肢筋力や歩行速度) |
| 8,000歩 | 20分 | 高血圧 糖尿病 脂質異常症 メタボリックシンドローム(75歳以上の場合) |
| 9,000歩 | 25分 | 高血圧(正常高値血圧) 高血糖 |
| 10,000歩 | 30分 | メタボリックシンドローム(75歳未満の場合) |
| 12,000歩 | 40分 | 肥満 |
やせるために運動しようとする人がいますが、ウォーキングでやせるためには1日12,000歩ぐらいウォーキングが必要になります。
ウォーキングだけでやせるのは難しいので、「やせるために運動する」というよりは、「健康になるために運動する」と考えた方がいいですよ。
ウォーキングで健康を少しずつ取り戻し、治療薬が少しでも少なくて済むように頑張っていきましょう。
医療のために時間とお金を使うぐらいなら、健康のために時間とお金を使いましょう。
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