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どんな野菜を摂ったらいいの?野菜の種類によるダイエット効果の違い

野菜などの植物には、ファイトケミカル(phytochemical)という、紫外線や昆虫など植物にとって有害なものから体を守るために作りだされた色素や香り、辛味、ネバネバなどの成分が含まれています。
ポリフェノール、カロテノイドなどが有名ですね。
ファイトケミカルは必須栄養素ではないものの、体にとって良い作用をするため、健康を維持するためにはぜひ摂取したい重要な成分であることが明らかになってきています。
そんなダイエットにも健康づくりにも欠かせない野菜ですが、ダイエットに関しては野菜の種類によって多少の効果の違いがあるようです。
日本の国立がん研究センターが発表した研究結果があるので、それをご紹介します。
原文はこちら。
Associations between changes in fruit and vegetable consumption and weight change in Japanese adults
研究結果のまとめ
📝JPHC研究「野菜・果物摂取量と体重変化の関連」
🧪研究概要
- 対象:全国11地域の40〜69歳の約5万4,000人
- 調査期間:1990年・1993年開始 → 5年後・10年後に食事調査を実施
- 目的:野菜・果物摂取量の変化と体重変化の関連を検証
🥦野菜摂取量と体重変化
- 野菜摂取量が1日100g増加すると、体重が25g減少
- 特に効果が大きかった野菜群:
- ネギ類(にんにく・玉ねぎ・ニラ):−129g
- 黄・赤色野菜(にんじん・かぼちゃ・トマトなど):−74g
- 緑色野菜(ほうれん草・春菊など):−41g
- アブラナ科野菜(キャベツ・白菜など):−36g
🍊果物摂取量と体重変化
- 果物摂取量が1日100g増加すると、体重が70g増加
- 摂取量が減少した場合は、体重との関連は見られなかった
🧠考察ポイント
- 野菜は主食と一緒に摂取されるため、満腹感を高めて全体の摂取量を抑える傾向
- 果物は間食として摂取されることが多く、エネルギー摂取量が増える傾向
- 自己申告による体重データや食事調査の限界も考慮が必要
私の視点
比較してみると、ネギ類に体重減少作用が大きいことは意外ですね。
ネギ類には「アリシン」という匂いの成分があります。
前回のブログで、アリシンには糖代謝や脂質代謝にいい影響があるかもしれないという研究を紹介しました。
アリシンには、体重減少効果もあるのかもしれません。
また、でんぷんという糖質のかたまりが多い根菜類でも体重減少作用がありそうな印象です。
こうして見ると、食物繊維が大事そうですね。
野菜の持つファイトケミカルの成分そのものも、直接的にせよ、間接的にせよ、体重減少作用を持っているのかもしれません。
細かいことはさておき、ダイエットにも健康づくりにも、野菜はしっかり摂りましょうね。