コラム一般内科・ かぜ健康づくり栄養診療ブログ
今シーズンはインフルエンザやら、コロナやら、その他の感染症(風邪)も爆増・・感染症対策に特に摂るべき栄養素
一般的に冬は気温が低く、空気が乾燥するため感染症(風邪)にかかりやすくなります。
しかし、それにしても12月から年始にかけての感染症の爆増は異常です。
こんなに多いのは、あまり記憶にありません。
感染症対策はバッチリな私でさえ、どこでもらったかわからないインフルエンザにかかってしまいました・・
さて、感染症とは病原菌と自分の免疫機能(防御機能)との戦いの結果、病原菌が優勢になってしまった結果です。
免疫機能が強ければ強いほど、感染症が発症しにくくなり、発症したとしても重症化せずにすみます。
免疫機能と栄養素とは、とっても深い関係があります。
感染症対策に特に摂るべき栄養素について、私が実際に摂取している栄養素について書いていきます。
ビタミンC
どこかで「風邪にはビタミンC」と聞いたことがありませんか?
これはどうやら本当のようです。
ビタミンCは病原菌と戦う白血球に多く含まれているからです。
白血球が病原菌と戦うために、武器として発生させる活性酸素があります。
この活性酸素は病原菌を殺すのに有効ですが、下手をすると白血球自身も傷つけてしまう可能性があります。
それを防ぐためにビタミンCが使用されていると考えられています。
風邪をひいたときは白血球が病原菌とせっせと戦うため、その分、活性酸素も多くつくられます。
そのためビタミンCの必要量が多くなり、しっかり摂取しないと白血球が病原菌と存分に戦えなくなります。
その他にも、ビタミンCには
- 直接的に高ウイルス作用を示したり、
- インターフェロンという免疫機能に関連する物質を作る作用を増強して、間接的に免疫機能を上げる
ことも明らかになっています。
また、風邪で起こってくる頭痛にも効果があるかもしれません。
食べ物では、ビタミンCが豊富に含まれているミカンやレモン、オレンジなどの柑橘類、柿やベリー類、ピーマン、ブロッコリー、キウイフルーツなどを積極的に食べるといいですね。
サプリメントで摂る場合、お腹が緩くならない程度で、大量に摂りましょう。
たんぱく質
病原菌が侵入した場合、生体内ではいろんな反応が起こり、いろんな物質を作る必要があります。
DNAと呼ばれる遺伝子情報(設計図)を元に、いろんな物質が作られます。
この物質を作る時に必要なのがアミノ酸です。
アミノ酸はたんぱく質を分解したものですので、たんぱく質が必要ということになります。
病原菌で傷ついた細胞の回復にも必要ですね。
食べ物では、肉類、魚介類、大豆製品、卵、乳製品などがたんぱく質の多い食品になります。
取り過ぎるとお腹の調子が悪くなりますので、注意しましょう。
ビタミンD、亜鉛
最近、免疫の分野で注目されている栄養素です。
免疫機能を調整したり、免疫細胞の働きを活性化することで、病原菌に対する効果を発揮します。
ビタミンDはキノコ類や卵黄などに、亜鉛はカキや赤身肉、ナッツなどに含まれています。
ビタミンDは脂溶性ビタミンで、通常は肝臓に貯蔵されています。
それなら不足しにくいと考えるかもしれませんが、室内で働くような人の9割はビタミンDが不足、または欠乏しています。
一方で亜鉛はもともと摂取量が足りない人が多く、不足しがちな栄養素です。
ともに不足しがちな栄養素ですので、免疫機能を上げるのであれば、サプリメントで摂取してもいいでしょう。
まとめ
他にも免疫機能を上げるような栄養素はありますが、特に大事だと思う栄養素だけ挙げてみました。
普段からしっかり栄養を摂り、免疫機能を十分に保っておく事が必要ですが、もし感染症になった場合はこれらの栄養素を含め、しっかりと栄養を摂るようにしましょう。
もちろん、感染症が治った後の回復にも栄養は必要ですね。
注意点が一つだけあります。
風邪にかかると熱が出たり、咳が出たり、鼻水が出たり、いろんな症状が出現します。
これらの症状は風邪を治すために、あえて生体が起こしている免疫反応です。
あまり症状を押さえつけるのは、風邪を悪化させたり、長引かせたりする原因になります。
私自身は解熱剤を使うことは、ほぼありません。
もちろん氷枕なども使用しません。
早く治すために、あえて体温を高い状態に保っています。
風邪との付き合い方は、実は奥が深いですよ。
あなたなりの風邪との付き合い方を考えてみましょうね。