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ダイエット成功の鍵は、蛋白質と食物繊維を多く摂ることだった。 ダイエット成功の鍵は、蛋白質と食物繊維を多く摂ることだった。

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ダイエット成功の鍵は、蛋白質と食物繊維を多く摂ることだった。

ダイエット成功の鍵は、蛋白質と食物繊維を多く摂ることだった。

ダイエットと言うと、どうしても「食べるのを控える」というイメージになりがち。

しかし、カロリー制限ではやせないのは、これまでの研究結果から明らかになっています。

では、何を食べていけばいいのか。

研究結果は蛋白質と食物繊維をたくさん摂れば、ダイエットに成功するという内容です。

栄養素の話で食品の話ではないのですが、実際には食事プログラムに沿ってダイエットを行っています。

つまり栄養素を参考にして食事を考えれば、ダイエットに成功する可能性があるということです。

あなたも蛋白質と食物繊維が多い食事を考えていきませんか?

原文はこちら。

Successful dietary changes correlate with weight-loss outcomes in a new dietary weight-loss program

研究結果のまとめ

新しい食事による減量プログラムでは、食生活の変化が減量の成果と相関している

背景

現在の行動療法や食事療法による減量プログラムは、外科的肥満治療に比べて効果の大きさや持続性が不足している。そこで、本研究では、食品自己選択に関する知識とスキルを向上させることで、持続可能な食事の変化を達成するための新しい食事療法プログラムを開発した。このアプローチは有効であったが、参加者間の結果に大きなばらつきが見られた。

目的

プログラムの有効性をさらに向上させるために、参加者の減量結果に影響を与える要因を特定する。

方法

参加者は、1年間の介入期間中に19回の食事教育セッションに出席し、所定の宿題を行った。体重、食事、体組成の変化を評価した。

結果

参加者(n=22)は、12か月後にベースラインから平均−6.49 kg(8.37%、p<0.001)の体重減少を達成した。9人の参加者(41%)が初期体重の5%以上の体重減少を達成し、2人が体格指数(BMI)25 kg/m2に達した。参加者間の体重減少に大きなばらつきが見られ、成功者(n=9)は−12.9 kg(9.6%)を達成したのに対し、失敗者は−2.03 kg(2.78%)を達成した。24時間記録による食事中のタンパク質と食物繊維の密度と体重減少率の間には、有意な負の相関が認められた。3か月目と12か月目の体重減少は、強い相関を示した(r=0.84)。自己申告によるうつ病のある参加者は、うつ病のない参加者に比べて、12か月後の体重減少が有意に少なかった(p<0.03)。

結論

参加者間の体重減少結果のばらつきは、食事の実施の成功度によるものと考えられる。コホート内分析によると、初期の体重減少の成功と初期の食事の実施は、長期的な成功の予測因子であった。

私の視点

研究結果のまとめを補足したいと思います。

まず参加者のスタート時のBMI 36.9 kg/m2と、アメリカ合衆国で研究されただけあって高度な肥満状態です。

食事内容としては蛋白質摂取量を 1 日あたり約 80 g、繊維摂取量を約 20 gに増やす個別のプランを作成しています。

日本人の肥満者にそのまま当てはめると多過ぎることは懸念されますが、研究結果としては多く摂る方がいいようなので、多くて困ることはないと思います。

およそ1年のダイエットプログラムをやり終えたのは30名中22名でした。

脱落した理由は家族の健康上の合併症、旅行、意欲の低下、忙しさ、連絡に応答しない、などです。

これが脱落者が多いのか、少ないのか、それは何とも言えません。

まあ、よくありそうな理由だなとは思いました。

さて、体重が減ったのはいいのですが、問題は脂肪が減ったのか?除脂肪体重(筋肉など)は維持されているのかという点です。

ここが一番大事な点だと思いますが、減った体重の78%は脂肪だったことが明らかになっています。

ただ単に体重が減っただけではなく、脂肪が減っていることは評価できますね。

除脂肪体重もやや減っていますが、ダイエットで除脂肪体重が全く減らさず維持するのは、なかなか難しいことです。

おおむね理想的なダイエットができているのではないかと思います。

その他、興味深い点としては、3 か月後と 12 か月後の体重減少には強い相関関係があることです。

最初の 3 か月間の体重減少が長期的な成功に非常に重要であることが示唆されました。

また、うつ病の診断がある人はダイエット効果が出にくいというのも知っておくといいですね。

これは睡眠障害や治療薬などの影響があるのではないかと思っています。

私は「食べないダイエットはありえない」と言っていますが、この研究はそれを裏付けしてくれるものだと思います。

皆さんも蛋白質と食物繊維をたくさん摂ることを意識して、ダイエットを成功させましょう!!