コラム健康づくり
健康に悪いと考えられる加工食品:不眠症にも影響か?
カップ麺やスナック菓子、炭酸飲料、冷凍食品などの超加工食品は、現代の日常生活において欠かせないものになりつつありますね。
仕事で時間に余裕がない時など、本当にありがたいものです。
しかし、人々の日常生活に浸透していますが、超加工食品の摂取は心臓病や糖尿病といった健康問題に関連しています。
さらには学習や記憶にも悪影響を及ぼす可能性を示唆する研究結果もあります。
今回は超加工食品と不眠症との関連について発表された研究をご紹介します。
研究結果のまとめ
概要
- 加工食品(UPF)の過剰摂取は、心臓病や糖尿病などの健康問題だけでなく、慢性不眠症のリスクも高める可能性があることが示唆されました。
- フランスの研究者たちは、38,570人の成人のデータを分析し、UPFの摂取量と睡眠の質の関係を調べました。
- 結果、UPFの消費量が多いほど、慢性不眠症を発症するリスクが高いことが統計的に有意に関連していることがわかりました。
- 今回の研究は観察的なものであり、因果関係を証明するものではありませんが、UPFと睡眠の関係性について今後の研究が期待されます。
詳細
- 研究では、参加者の食事情報と睡眠習慣に関するデータを収集しました。
- その結果、UPFの摂取量が多い人は、慢性不眠症の症状を報告する割合が高かったことがわかりました。
- この関連性は、特に男性で顕著でした。
- 研究者たちは、UPFの過剰摂取が睡眠に悪影響を与えるメカニズムについては、更なる研究が必要であると指摘しています。
- 今後の研究では、UPFと睡眠の関係性について、前向きな疫学研究、臨床研究、実験研究などを通じて、より詳細な調査が行われることが期待されます。
考察
- この研究結果は、健康的な睡眠を維持するためには、UPFの摂取量を控えることが重要であることを示唆しています。
- 地中海式のような、加工食品の少ない食事は、睡眠の質を向上させるのに役立つ可能性があります。
補足
- UPFとは?
UPFは、Ultra-processed foodの略称で、日本語では「超加工食品」と訳されます。具体的には、以下のような食品が含まれます。 * ソーセージ、ベーコンなどの加工肉 * 菓子パン、ケーキ、クッキーなどの菓子類 * インスタントラーメン、カップ麺などのインスタント食品 * 清涼飲料水、スポーツドリンク * 冷凍食品
- 慢性不眠症とは?
慢性不眠症とは、1ヶ月以上継続的に睡眠に問題を抱えている状態です。具体的には、以下のような症状が現れます。 * 寝つきが悪い * 夜中に何度も目が覚める * 朝早く目が覚めてしまう * 十分な睡眠感が得られない * 日中に眠気が強い
- 地中海式食事とは?
地中海式食事は、果物、野菜、豆類、全粒穀物、ナッツ、オリーブオイルなどを多く摂取し、赤肉や加工食品を控える食事法です。研究によると、地中海式食事は、心臓病、脳卒中、2型糖尿病、認知症などのリスクを降低する効果があることが示されています。
この記事から得られる教訓とは?
- 健康的な睡眠を維持するためには、加工食品の摂取量を控えることが重要です。
- 地中海式のような、加工食品の少ない食事は、睡眠の質を向上させるのに役立つ可能性があります。
- 睡眠に問題を抱えている場合は、医師に相談し、生活習慣や食事内容についてアドバイスを受けることが重要です。
私の視点
この研究は相関関係を見た研究で、因果関係を見た研究ではありません。
つまり、不眠症がある人の方が加工食品をたくさん摂っているという関連性がわかったに過ぎません。
とはいえ、これまでに加工食品が健康に悪影響を及ぼすことはわかっています。
不眠症についても加工食品が悪さをしていることは十分に考えられます。
加工食品は時短という意味では役に立つものです。
できる限り加工食品は避けて、どうしてもの時だけ有効に活用するのがよさそうです。