コラム健康づくり
勉強したらその後にすること・・それは筋トレ!20分の筋トレで記憶力が10%アップ!
運動と認知機能がとっても関連しているのは、もう皆さんもご存知でしょう。
私は訪問診療で介護が必要な高齢者の診察を行っていますが、寝たきりや車椅子使用(他者が操作)するようになると、あっという間に認知症が進行してしまいます。
身体を動かすということがいかに大事かというのを教えられます。
これまでに有酸素運動が認知機能を改善するという研究結果は多いのですが、では筋トレでは?
という疑問が当然出てくるはずですね。
今回は筋トレで記憶力が改善するという、アメリカのジョージア工科大学の研究報告を紹介します。
Lift weights, improve your memory(ジョージア工科大学 2014年9月30日)
研究結果をまとめると以下のようになります。
<概要>
- ジョージア工科大学の研究によると、わずか20分間の激しい筋トレで、健康な若者のエピソード記憶が約10%強化される。
- 運動は、学習直後に脳を活性化し、記憶の定着を促進する。
- 運動は、ストレスホルモンの放出を促し、記憶力向上に役立つ。
- 今後の研究では、高齢者や記憶障害者への効果も検証される予定。
<研究内容>
- 参加者は、ポジティブ、ネガティブ、ニュートラルな写真90枚を見せられた。
- その後、参加者は2つのグループに分けられ、片方のグループは20分間の筋トレを行い、もう片方のグループは椅子に座って休息した。
- 48時間後、参加者たちは最初に見せられた写真と新しい写真を混ぜた180枚の写真を見せられ、どれを覚えているかをテストされた。
- 筋トレを行ったグループは、休息したグループよりも約10%多くの写真を覚えていた。
<考察>
- この研究は、筋トレが短時間で記憶力を向上させる効果があることを示している。
- 運動は、学習直後に脳を活性化し、記憶の定着を促進する可能性が高い。
- 運動によるストレスホルモンの放出も、記憶力向上に役立っていると考えられる。
<その他>
- 研究ではウェイトトレーニングが使用されたが、スクワットや膝曲げなどの他の抵抗運動でも同様の効果が期待できる。
- 運動は、脳の健康にも良い影響を与えることが示唆されている。
この研究で興味深いのは、記憶の検査を行った後に筋トレを行うだけで記憶力が向上しているところです。
普段の運動習慣が大事とか継続性ではないので、応用しやすいのではないでしょうか。
例えば、あなたが翌日に何らかのスピーチをしなくてはいけなくて、一生懸命覚えるようにしています。
暗記できたと思ったら、その後に筋トレを20分程度行えば、翌日に残っている記憶が多いということになります。
これは私も使えそうな事象なので、大事な話をする時などに応用してみようかと思います。