一般内科・ かぜ予防接種診療ブログ
コロナ禍で増えている帯状疱疹、その原因は?対処法は?
以前にも帯状疱疹患者が増えていますという記事を書きました。
帯状疱疹は水疱を伴った発赤が出る皮膚疾患で、ピリピリとした神経痛が出るのが特徴です。
ひどい時には神経痛がとんでもなく痛くて、後遺症としてしばらく続くこともあります。
そんな帯状疱疹ですが、なぜコロナ禍で増えているのでしょうか?
新型コロナウイルスワクチンの影響があるかもしれない
Journal of the European Academy of Dermatology and Venereologyという医学雑誌に新型コロナウイルスワクチンの接種と帯状疱疹の発症について研究された結果が掲載されています。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jdv.18184
簡単に説明しますと、
- 新型コロナウイルスワクチンを接種した約110万人と接種していない約170万人を比較し、帯状疱疹をどれだけ発症したのか比較しています。
- 偏りがないようにするため年齢と性別を揃えています。
- ワクチン接種者では2204名が帯状疱疹を発症しました(0.20%)。
- ワクチン非接種者では1223名が帯状疱疹を発症しました(0.11%)。
- 統計学的にワクチン接種者の方が非接種者より帯状疱疹を発症した割合が高く、およそ1.8倍にのぼりました。
前のブログ記事で書きましたように、ストレスなどの要因は当然あると思います。
が、新型コロナウイルスワクチンも影響を及ぼしている可能性もあるわけです。
帯状疱疹にどう備えるか?
50歳以上であれば、帯状疱疹に対するワクチンがあります。
新型コロナウイルスワクチンを接種した後、2週間の間隔を開ければ帯状疱疹ワクチンを接種できます。
帯状疱疹ワクチンを先に接種した場合でも同様に、2週間の間隔を開けて新型コロナウイルスワクチンが接種できます。
帯状疱疹のワクチンは2種類あります(水痘ワクチン、シングリックス)。
水痘ワクチンは以前からあるワクチンで、1回接種になっています。
帯状疱疹の発症予防は約5割程度とされています。
一方、シングリックスは新しいワクチンで、2回接種になっています。
新しいだけあって、発症予防は9割以上とされていますが、値段も高くなっています。
費用対効果でどちらを選ぶか考えてみてくださいね。