お問い合わせ
肝臓外来(脂肪肝外来) 肝臓外来(脂肪肝外来)

肝臓外来
(脂肪肝外来)

肝機能障害を起こす肝疾患の中で
最も多いのが脂肪肝です。

肝臓外来(脂肪肝外来)

過食や偏食、過度な飲酒など主に食生活が原因で引き起こされる病気です。遠い昔には脂肪肝は特に害がない病気と考えられてきました。あるいは飲酒に伴う病気で、飲酒をしない人には無縁な病気とも考えられてきました。

ところが、その後の研究で飲酒をしない人でも脂肪肝になることが明らかとなり、皆さんに認知されるまでになりました。さらに、脂肪肝になる原因は食事やアルコールだけではありません。薬物やC型肝炎ウイルス、遺伝性疾患など様々です。

つまり脂肪肝という一括りにしてしまっては、病態がよくわからなくなってしまいますね。

これまでの脂肪肝の分類は、アルコール性(アルコール性脂肪性肝疾患)とそれ以外(非アルコール性脂肪性肝疾患:NAFLD)という大まかな分類しかありませんでした。また脂肪肝であっても、肝疾患の原因がはっきりしている慢性肝疾患は除外されていたのです。
脂肪肝の原因は様々であることが考慮され、脂肪肝の分類は大きく5つに分類されるようになりました。

脂肪肝(SLD)の新分類

  • ・代謝異常関連脂肪肝(MASLD):アルコールは適量以内(男性30 g/日、女性20 g/日未満)
  • ・アルコール性脂肪肝(ALD):飲酒量が過剰(男性60 g/日、女性50 g/日以上)
  • ・アルコールが適量以上で代謝異常を伴う脂肪肝(MetALD):(男性30-60 g/日、女性20-50 g/日)
  • ・特殊な原因による脂肪肝(Specific aetiology SLD):薬物、遺伝性疾患、低栄養、ウイルスなど
  • ・原因不明の脂肪肝(Cryptogenic SLD)

個人的には網羅的でないようにも思いますが、アルコール摂取量から分類を増やしているところ、特殊な原因や原因不明な脂肪肝を追加しているところが新しい点ですね。以上を踏まえ、アルコール摂取量が適量以内である脂肪肝について述べていきます。

肝臓外来(脂肪肝外来)

診察スケジュール

診療
時間
日・祝
8:30 〜
12:30
×
13:30 〜
17:30
×××

△:要相談

< 来院についてのご注意事項 >
肝機能障害がわかっている場合は腹部超音波検査を行います。できれば食事を抜いて受診してくださいね。
水やお茶など糖質や脂質などを含まない飲み物は飲んでいただいても構いません。

肝臓外来(脂肪肝外来)

脂肪肝について

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD):以前の分類

脂肪肝とは肝臓の細胞の中に脂肪が溜め込まれている状態です。単に脂肪が溜め込まれた状態であれば、あまり問題ないとされていたのは上述の通りです。

ところが、脂肪肝の一部には肝臓の病気が進行し、肝硬変あるいは肝がんといった生活の質を低下させ、命に関わる病態が引き起こされることがわかっています。この進行するタイプの脂肪肝を非アルコール性脂肪肝炎(NASH)と呼んでいます。

ではどんな脂肪肝患者が肝臓の病気が進行し、肝硬変あるいは肝がんを起こすのか。残念ながらそれを事前に予測するのは、現時点では極めて困難です。
そこで、肝臓の病気が進行していないか、肝がんの合併がないか、それらを血液検査や腹部超音波検査などで定期的に診ていくことが重要なことになります。

さて、最近では研究が進み、肝臓の病気の進行にはいろいろな病気と関連があること、また脂肪肝がいろいろな病気を引き起こすことが明らかになってきたのです。そこで新分類が登場したわけです。

脂肪肝

代謝異常関連脂肪肝(MASLD):進化した脂肪肝の考え方

脂肪肝の研究が進むにつれ、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、動脈硬化など、メタボリック症候群との関連が強いことがわかってきました。

脂肪肝があると、糖尿病、高血圧症、脂質異常症などの生活習慣病になりやすく、また逆に、メタボリック症候群の合併があると脂肪肝の病気が進行しやすいことも明らかになってきました。

上記の非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は、過剰なアルコール飲酒や他の既知の慢性肝疾患を除くとした除外診断です。つまり脂肪肝の原因について明確に言及されたものではありませんでした。
代謝異常が脂肪肝を引き起こす、あるいは病気の進行に関わることから、代謝異常関連脂肪肝(MASLD)という新たな概念が出現しています。さらに進行するタイプの脂肪肝を代謝異常関連脂肪肝炎(MASH)と呼んでいます。

代謝異常関連脂肪肝(MASLD)

代謝異常関連脂肪肝(MASLD)の判定

具体的には、脂肪肝の状態であり、アルコール摂取量が男性30g/日、女性20g/日未満で、下記のいずれかがが合併していれば、代謝異常関連脂肪肝となります。

① 過体重・肥満(BMI≧23 kg/m2)
② 2型糖尿病の診断および治療中
③ 次に挙げる2つ以上の代謝異常

  • ・腹囲(男性≧90 cm、女性≧80 cm)
  • ・血圧130/85以上、高血圧症の治療中
  • ・中性脂肪150㎎/dl以上、高脂血症の治療中
  • ・HDLコレステロール 40 ㎎/dl以下、高コレステロール血症の治療中
  • ・空腹時血糖110~125 ㎎/dl、HbA1c5.7~6.4%
    ※日常診療で頻用する項目に絞っています。
代謝異常関連脂肪肝(MASLD)

メタボ脂肪肝

※代謝異常関連脂肪肝(MASLD)を、以下ではわかりやすくメタボ脂肪肝と呼ぶようにします。正式名称ではありません。

これまでどのような脂肪肝患者が進行しやすいか、明らかに予測できるものはありませんでした。しかし、少なくともメタボ脂肪肝の状態では、肝臓病が進行しやすく、メタボリック症候群が悪化しやすいことから、同じ脂肪肝でもメタボ脂肪肝はやや高リスクな集団と考えることができます。

このメタボ脂肪肝は、非アルコール性脂肪性肝疾患と何が違うのか。わかりやすく言えば、代謝異常を合併している脂肪肝に絞り込んでいることです。新分類を当てはめた時、非アルコール性脂肪性肝疾患には低栄養製の脂肪肝や原因不明の脂肪肝も含まれていることになります。

新分類での利点は、メタボ脂肪肝は単純な脂肪肝より病気が進行しやすいので、別グループとして扱われている点にあると思います。残念ながら、メタボ脂肪肝と非アルコール性脂肪性肝疾患は9割以上合致することから、大きな絞り込みにはなっていないのが現状です。

ただ、メタボ脂肪肝と単純な脂肪肝は全く治療方針が異なりますので、治療面から見れば大きな前進ですね。
メタボリック症候群の治療をすることがメタボ脂肪肝の治療にもなり、またメタボ脂肪肝を治していくことがメタボリック症候群の治療にもなります。

メタボ脂肪肝

メタボ脂肪肝は単なる肝臓病ではない

メタボ脂肪肝では代謝異常、いわゆるメタボリック症候群が合併しやすく、メタボリック症候群によって肝臓の病気が進行しやすいことを述べてきました。しかし、メタボ脂肪肝はそれだけにとどまりません。

動脈硬化に伴う心血管疾患(脳梗塞、心筋梗塞など)が多いことが報告されています。肝がん以外にも大腸がんや大腸がんの原因である大腸腺腫の頻度が増加することが明らかになっています。その他にも食道がん、胆のうがん、膵臓がん、腎臓がん、膀胱がん、乳がん、子宮体がん、甲状腺がん、乳がんなど様々ながんが増えるとの報告もあるようです。

メタボ脂肪肝は肝臓そのものよりも全身に及ぼす影響が大きい病気と言えます。「たかが脂肪肝」と侮ることなく、定期的な診療を受けるようにしましょう。

メタボ脂肪肝
肝臓外来(脂肪肝外来)

メタボ脂肪肝の治療について

メタボ脂肪肝は肝臓内に蓄積された過剰な脂肪ですので、体脂肪を減らすようにしていけば改善していきます。

最新の正しいダイエット方法を学ぶ必要があります。カロリー調整のような間違ったダイエット方法は決して行わないでくださいね。
またメタボ脂肪肝になりやすいものとしてショ糖(砂糖)があります。ショ糖に含まれる果糖(フルクトース)は、血液中に吸収された場合、肝臓でしか代謝できません。過剰な果糖は中性脂肪に変換されて、肝臓の中に蓄積されてしまいます。砂糖(お菓子やジュースなど)の摂り過ぎがないか、見直すことは重要ですね。

現時点では脂肪肝に対する薬は開発中の段階です。効果がある結果が出ているようですので、近いうちに登場してくるかもしれません。
糖尿病や脂質異常症などを合併している場合、それらの治療を行うことで脂肪肝が改善することが報告されている薬剤があります。糖尿病の薬としてはSGLT2阻害薬、脂質異常症の薬としてはフィブラート系薬剤、エゼチミブがそれに相当します。もしこれらの病気を合併しているのであれば、これらの薬を積極的に使っていきます。

ただ根本治療はあくまでも日常生活の改善であり、薬では完全にメタボ脂肪肝が治るわけではありません。食事や運動など基本的なことが重要ですので、どこに問題があるのか自分で判断するのではなく、客観的・俯瞰的に判断するため医療機関で相談してみましょう。

メタボ脂肪肝の治療
プラセンタによる肝機能改善作用。

現時点では脂肪肝を改善することが示された糖尿病治療薬、脂質異常症治療薬はあるものの、脂肪肝に特化した治療薬は存在しません。
肝機能異常で一般的に用いられるウルソデオキシコール酸は、脂肪肝では効果がなく推奨されていません(使わないことが推奨されている)。その他、EPLやリバオールなどの薬剤がありますが、入手困難となっています(恐らく薬価が安すぎて採算合わないため、メーカーは作る気がないと思います)。

しかし、上述したように脂肪肝は全身に及ぼす影響が大きい疾患です。放置するわけにはいきません。そこで、当クリニックではプラセンタによる治療を導入しています。プラセンタ注射は慢性肝炎や肝硬変などに対しては保険診療でも認可されている、確固たる治療です。脂肪肝に対しても効果が期待されるところです。

プラセンタ治療の大きな特徴は、肝臓だけではなく、全身的な改善が期待できることです。脂肪肝の改善だけではなく、脂肪肝に伴う全身的な症状も改善してしまうかもしれません。
プラセンタ治療を行いながら日常生活を改善していき、できるだけ病気が進行しないようにしていくことがベストな解決法ではないかと考えています。

プラセンタ治療の効果など、詳細はこちら。
プラセンタ治療については電話(0948-43-3151)でお問い合わせくださいね。

メタボ脂肪肝の治療
肝臓外来(脂肪肝外来)

よくあるご質問

  • 健康診断で肝臓の数値が高いと指摘を受けました。受診したほうが良いですか?

    肝機能障害の原因を精査する必要があります。できるだけ早めに受診しましょう。原因によりその後の治療方針等が決められます。

  • お酒はあまり飲まないのに肝臓がよくありません。なぜでしょうか。

    肝臓が悪くなる原因はアルコールだけではなく、いろいろなものがあります。特に多い肝疾患として過食や偏食で起こる脂肪肝があります。

  • 健康食品やサプリメントが肝臓に悪影響をおよぼすと聞きました。本当なのでしょうか。

    健康食品やサプリメントは継続して摂取することになるため、適量を守っていたとしても知らず知らず肝臓への負担を増やしてしまいます。
    肝臓の処理能力には個人差があるため、適量であっても肝機能障害を起こすことがあります。
    報告されたものとしてはダイエットに関する健康食品やサプリメントが多いようです。肝機能が心配な方は検査を受けるようにしましょう。

  • 脂肪肝の治療はどのようなものですか?

    脂肪肝に対する薬物は開発中の段階です。糖尿病や脂質異常症などに対する薬物が脂肪肝を改善することが報告されています。
    もしこのような病気を合併していたら同時に治療することができます。
    ただ何より効果があるのは原因となる過食や偏食など食生活を見直すことです。
    広く知れ渡っている「カロリー理論」によるダイエット法は、前提条件がそもそも誤っており長期では効果がありません。
    最新のダイエット法を身につけ、脂肪肝を治していきましょう。

肝臓外来(脂肪肝外来)

ワンポイントアドバイス

ワンポイントアドバイス

肝臓の脂肪を除去しよう!!

脂肪肝の根本治療は脂肪を取り除くこと、つまりダイエットです。
これまでのダイエット方法と言えばカロリー調整でしたが、長期的には効果がないことが証明されています。効果がある最新のダイエット方法を学ばないといけません。

ダイエット方法に関してLINEで情報発信しています。友だち追加して、院長の私が体脂肪を4割減らしたダイエット方法を学びませんか。

診療案内

採用情報 採用情報